新型コロナウイルス第7波で道内新規感染者数が7千人を超えた日がありました。私のまわりでも陽性判定となった人が複数います。

8月を迎えましたが、曇天、湿度の高い日々が続いています。今年は北海道らしいカラッとした晴天は望めないようです。それでも、トマト、とうきび、ブルーベリー、メロンなど地場の新鮮な食材を手に入れて、食卓に並べています。近所のセコマで、豊富町の牛乳とヨーグルト、羽幌町のアイスクリームをよく買っています。朝、収穫したばかりの食材と地域の乳製品を気軽に楽しむことができる北海道に住んでよかったと実感しています。

夏風景DSC_1394
【写真】これが北海道の夏。2020年8月1日、南幌町の麦畑。

第7波の状況下、私たちが主催しているコンサートや落語会、プロスポーツの試合は感染防止対策を講じながら予定通り実施していますが、コロナ禍以前の状況にはまだ戻っていません。入場者数でいえば8割近くまでに回復している状態です。今回のブログでは道新プレイガイドの話題を紹介します。

7月25日からセイコーマートチケットサービスが始まり、道新プレイガイドで扱っているチケットがセイコーマートで購入できるようになりました。北海道内のセイコーマートや一部のハセガワストアの店内のマルチコピー機を通して、チケットを買うことができます。公演によっては指定席を購入することも可能です。いままではオンラインストアや電話、店舗では北海道新聞本社の道新プレイガイドと札幌文化芸術劇場 hitaruがある札幌市民交流プラザのチケットセンターで扱っていたチケットが全道各地で買うことが可能となりました。マルチコピー機の画面からセコマコード(Sコード)または公演名(カナ)で検索して、チケットを選択し、席種、枚数、座席などを入力する方法です。なお、チケット代は現金決済のみとなっています。今後、道新紙面に掲載している主催事業広告にセコマコード(Sコード)をチケットびあ(Pコード)やローソンチケット(Lコード)のように表記していきます。コンサート、演劇、落語、美術展などのチケット購入に活用してください。

また、学校やアマチュア団体が主催する吹奏楽やダンスなどの公演担当者は、チケットの販売や管理、金銭の扱いに苦労されていると察します。道新プレイガイドにチケット販売登録を申請することで、セイコーマートで販売が可能となります。手売りの手間が省けるので事務効率化のメリットもありそうです。

商品券DSC_3004
そして、道新ぶんぶんクラブ加盟店連合のプレミアム商品券です。札幌市商業者グループデジタル販促応援事業で、総額1万3千円の商品券を1万円で販売しています。つまり3千円お得ということで、札幌市内の道新販売店と道新プレイガイドで扱っています。商品券は札幌市内の対象となるぶんぶんクラブ加盟店で使用できます。北海道新聞本社1階の道新プレイガイドでも商品券を購入して、チケットを買い求めている方が少なくありません。使用期間は12月31日まで、商品券は予定数量終了しだい、販売終了となります。私も2冊購入して、札幌演劇シーズンと文楽公演のチケットを手に入れました。6500円のチケット2枚計1万3千円を1万円で買うことができます。

一昨年、政府はGOTOキャンペーンを行いました。旅行業を対象にしたGOTOトラベルは話題になりましたが、イベント業界ではGOTOイベントがありました。公演チケットを2割引きで販売するキャンペーンで、道新文化事業社も申請し、登録しました。しかし、感染者増によるイベント開催制限などにより、実施することができませんでした。今回のプレミアム商品券を活用し、様々な公演を見る機会が増えればと思っています。

セコマバナー

セイコーマートチケットサービスのスタートは道新プレイガイドの歴史に残る出来事といえます。さて、社内の記録によると、道新文化事業社は、昭和の時代、北海道新聞本社の大通館(道新ホールがある建物、北1条側は北1条館)でプレイガイドを営業していました。チケットのほかに切手や印紙も扱っていました。平成元年1989年に札幌地下街ポールタウンに以前からあった道新コーナーの管理を道新文化事業社が担うことになり、大通館プレイガイドを閉鎖しました。私はその前から、道新コーナーで、よく狸小路の映画館(松竹、帝国座など)の前売券を買っていた記憶があります。道新コーナーの北隣には、バンバン(ばんばんかもしれない)という名のカレー・スタンドがあり、ポールタウンをススキノへ向かうと、胡椒の効いたルーカレーの香りが漂っていました。また、大丸プレイガイドでコンサートチケットを買うため朝から並んでいたら、道新は人気がないのでまだ良い席が残っているかもしれないという会話を耳にした記憶があります。

その後、道新コーナーは大通館1階(現在は三菱UFJ銀行札幌支店)の場所に移りました。その時は道新プレイガイドの店舗名になっていたと思います。この店舗にはチケットびあとローソンチケットの端末が置かれていました。その後、北1条館に移り、路面店となりましたが、数年前に現在の位置で営業するようになりました。跡地の一部はカフェ・ド・クリエです。社内記録では、いつからプレイガイドがあって、いつから道新プレイガイドの名前になったのか、客観的なことがわかりません。道新縮刷版などで丹念に調べればわかると思いますが、なかなか時間がとれません。

1990年代以降、セブンイレブン、ローソンなどコンビニがチケットを扱い、インターネットでチケットが買えるようになりました。シネコンが各地にできて、街の映画館は消え、映画前売券の扱いが激減しました。札幌の3大プレイガイドと言われた大丸(百貨店でなく大丸藤井セントラルの1階)、4丁目(4丁目プラザ1階)の両プレイガイドは閉店し、電子チケットが登場しました。

このように状況で2017年春に、道新プレイガイドはオンライン・システムを構築し、生き残りを図ってきました。道新文化事業社というイベント会社が運営しているため、チケット販売と興行を結びつけながら業務を遂行できることが、他社と比較してプラスになったと思います。オンライン・システムの導入には様々なメリットがありましたが、特にネット上での先行発売が容易になったことが1番のメリットです。以前は臨時電話やはがきで対応していましたが、何枚ものはがきを書く手間やつながらない電話を何時間もかけ続けていた労苦がなくなりました。

道新プレイガイドと他のチケット関係会社との違いは2つあります。1つは自社主催チケットでなく、他社主催から道内の学校、アマチュアの公演まで扱っていること、もう1つはオンライン「デジタル」と店舗「リアル」を共存していることです。公演会場で当日券やグッズを販売し、入場者を出迎えることも「リアル」といえます。他社のチケットを扱うことで、公演の売れ行きや客層の動きをつかむことができます。現在は圧倒的にオンライン販売のウエイトが高くなりましたが、店舗で接するお客様の声を反映することができます。ネット環境がない方々がチケットを買える場所もまだ必要です。公演会場で入場者の様子を見て、次の事業に生かすことが多々あります。

イベント業務とプレイガイド業務を共存している会社は、少ないと思います。その2つの業務を行ってきたからこそ、半世紀近く、事業を継続できたのかもしれません。

チケット業界は、不正販売防止やDX化などの課題を抱えています。不正転売防止のためNFT(Non-Fungible Tokenの略、代替不可能なトークン)をチケットとして利用する動きもあるようです。5年後、10年後はどうなるのか、プレイガイドは生き残れるのか、多方面から情報を入手し、判断する力をつけないと時代に取り残されそうです。