オミクロン株の拡大に加え、札幌およびその周辺は記録的な大雪に2度も見舞われ「2重苦」の2022年2月となった。

2月6日(日曜日)、札幌市教育文化会館大ホールで今年2回目となる道新寄席を開催した。出演は立川談春師匠で午後2時開演。主催者を代表して師匠に挨拶をするために、午前10時頃、早めに家を出た。JR北海道ホームページによると千歳線のダイヤは乱れていたが、運行しているようなので、最寄りの北広島駅まで12分かけて歩いた。2階の改札口に着くと電車が遅れている。いつ到着するのかわからないので、大谷地駅行のJRバスに乗車した。バスは満員、予定時間より遅れて大谷地に到着したのだが、乗客が多いためバスが停車して、私が下りるまで5分以上経過した。(ここまで「2」を11回使用)

東西線に乗り換え、教育文化会館に着き、談春師匠の落語(「十徳」、「ねずみ穴」)を堪能し、挨拶を済ませた。「師匠一行が乗る予定の航空便が欠航し、新たな便を予約し、早めに車を手配し、空港に向かうことになった」と貝田部長と小坂課長から報告があり一安心。さて、私も帰ろうとJR北海道ホームページをアクセスすると全線運休の表示、仕方がないので西11丁目から東西線に乗った。車内でバスの運行状況を確認すると運休だ。残された唯一の帰宅方法は新札幌からタクシーだ。20分後、JR新札幌駅高架下のタクシー乗り場に着くと100人近い人が並んでいた。頻繁にタクシーが到着する乗り場なので、30分程度の待ちかと思ったが、車が来ない。3分から5分に1台という有様だ。結局2時間20分近く立っていた。氷点下の中だ。2時間経つと、凍えてきて、足の感覚がなくなってくる。足踏み、ジャンプとにかく足を動かして待っていた。

談春師匠の独演会、会場に来られた人の中には、帰宅に苦労にした方も少なくなかったのではないだろうか。こんな天候の中で、道新寄席に足を運んで頂いたお客様に感謝いたします。

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【写真】7日正午頃のバス停(北広島市・パティスリーモンタンベール付近)。2社のバスは運休。
 
翌7日(月曜日)はJRおよびバスは全面運休した。タクシー会社に電話してもつながらない。結局、会社を休んだ。当初8日からJRは運行する予定だったが、7日午後、運休のニュースが入り、すぐ、8日のタクシーを予約した。9、10日もバス、タクシー、定刻通り走らないJRを使い分け通勤した。通勤の苦労に加え、自宅に戻れば「除雪」という大事業が待っている。郊外に住んでいるため、敷地はゆとりがあるが、雪を捨てる場所が少なくなっている。雪を遠くに投げるため、いつもより力がいる。特に湿った雪なので、重い。本州の豪雪地帯に住む人たちの苦労が痛いほどわかった。

2回目の悲劇は20日から始まった。これは大雪というより暴風雪だ。前回のブログでスキーについて書いたのだが、19日から1泊2日でスキーを滑りにトマムに行った。セイコーマートと星野リゾートが提携し、セコマ会員はトマムを安く利用できるようになったので、早速、ぺコマカードの会員番号を使って予約した。20日夕方から天候が悪化するとの予報だったので、JRを利用し、20日昼の列車で帰る行程を組んだ。道東道の片側1車線のトンネル内を運転するのも疲れるし、「冬はJR」の宣伝文句を思い出した。同時に21日(月曜日)はJRとバスが止まる可能性が高いと判断し、大谷地駅までのタクシーを予約した。

トマムスキー場は最高のコンディションで、ゴンドラとすべてのリフトに乗って、初級、中級コースで滑っていた。天候もよく利用者も少なかった。夕食を食べ、スマホを見ると、明日21日の石勝線特急は全休のお知らせだ。フロントでバスの問い合わせをすると今日は午後6時で予約終了、明朝7時30分から受付とのこと。翌朝、7時から並ぶと、すでに満席の便があったが、午後2時20分発新千歳空港行にどうにか乗ることができた。道東道は閉鎖していなかった。21日の石勝線特急は全休となったが、午前中の早い時間帯は運行することが可能だったのではないか、部分運行(帯広-札幌など)も可能だったのではないかと察した。釧路や帯広で何日間も足止めされた旅行者がいたはずだ。

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【写真】トマム 雲海テラスで食べたソフトクリーム。雲のイメージだ。

さて、21日は予想通りJRは運休した。タクシーで大谷地まで、その後地下鉄で大通にある会社へ向かった。21日と22日はバス、地下鉄、タクシーで通勤したのだが、JRは当初、記者会見で千歳線を優先に、22日中に運行を再開すると発表していたのにかかわらず、結局22日はおろか、23日も運休だった。24日朝も間引き運転だ。23日の新千歳空港の状況は「“陸の孤島”新千歳 運休続くJRに憤り バス乗車待ちも5時間」(北海道新聞)と報じられた。23日祝日は朝から除雪で疲れた。

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【写真】窓まで雪が積もった。23日朝撮影。

これ以上、続けて書くと、官民多方面に対する批判になってしまうのだが、あまりにも情けなくて、書く気にならない。記録的な大雪、暴風雪では仕方がないと思うし、JRをはじめ現場で働く人は本当に大変だったと思う。せめて、JR北海道は定期券利用者に対して運休日数分を利用できるようにしていただきたい。

道新文化事業社は、もともと冬季の公演数は少なく、今回の大雪、暴風雪による経営ダメージはなかった。しかし、今後、出演者が空港に到着しても、札幌市内の会場に移動できない。舞台美術が運べないなど公演を中止せざるをえない事態が生じる可能性がある。出演者などの感染に加え、こうした天候のリスクも侮れない。

近年は、台風など天候による被害も増えている。北海道が快晴でも、東京が豪雨であれば、出演者が移動できないこともありえる。地球温暖化が原因だ。製造業、運輸業を中心にCO2の排出量を減らす企業が当たり前になっている。そして、私たちは日常の暮らしの中で、地球環境を意識しなければならないと感じている。

とても小さいことだが、フライヤーなどの印刷枚数を減らしネットに置き換えること、ケータリングや弁当などは環境にやさしいパッケージを利用する、コピー枚数削減、事務所内のごみ箱を1個にする・・・・そして、社員の認識を深める要素も加えて検討する余地がありそうだ。そうすれば、社員や関係者も日常生活の中で地球環境を意識するようになるはずだ。「物」を製造しない道新文化事業社もSDGsに積極的に取り組まなければならない。

大変な2月だったけど、4回行ったスキーは雪質が良く適度な運動となり、除雪で筋力を維持し、移動時間に読書をすることができたということで、前向きに生きることができたのだ。

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【写真】手稲ハイランドスキー場。札幌市内と石狩湾を望む。2月5日撮影。
2月はこの日まで良かった。