ようやく、緊急事態宣言発令が解除されました。

道新プレイガイドでは、発令期間中に定められたイベント開催条件により停止していたチケット販売を再開しました。当社は引き続き、新型コロナウイルス感染予防、拡散防止へのガイドラインに準じた対応策を徹底し、お客様に安心して各種公演を楽しんでいただけるように努めていきます。2021年も残り3か月を切り、山下達郎、マライア・キャリー、ワム、ジョンとヨーコなど定番のクリスマスソングが流れる季節が近づきました。道新文化事業社では、秋から冬の芸術文化の季節にふさわしい主催公演を予定しています。それらの公演が今年の皆さんの思い出になってほしいと願っています。

 

さて、2018年10月にオープンした札幌文化芸術劇場hitaruが3周年を迎えました。こけら落とし公演のオペラ「アイーダ」をはじめ、ミュージカル「レ・ミゼラブル」、「モーツァルト!」、キング・クリムゾン、チック・コリア、市川海老蔵、札幌交響楽団など質の高い公演が開催されてきました。特にオーケストラの生演奏や大掛かりな舞台美術、衣裳を伴う総合芸術といわれるオペラやバレエ、ミュージカルを札幌で見る機会が増えたことは北海道の音楽、演劇ファンにとって喜ばしいことです。

つむぐ-フライヤーでふりかえるno1西2丁目地下歩道壁面DSC_2218
ツムグ-フライヤーでふりかえるno2DSC_2219_(1)
西2丁目地下歩道壁面で展示中の「つむぐ-フライヤーでふりかえるhitaruSCARTS3年間」


hitaru
の大きな特徴は多面舞台を持っていることです。札幌市民交流プラザのホームページによると、hitaruは主舞台上手、下手、奥に広い舞台スペース(特に上手側は主舞台と同程度の広さ)があるため、大掛かりな舞台装置を使った場面転換をスムーズに行うことができるとのことです。そのため、規模の大きいオペラ、バレエ、ミュージカルは東京公演とほとんど同じ状態で札幌上演が可能となったわけです。
また、会場収容数()がほぼ同じだった北海道厚生年金会館(ニトリ文化ホール)と比べてステージと客席後方の距離が短くなり臨場感が高まりました。音響の良さも定評です。音響設計は札幌コンサートホールkitaraにかかわった永田音響設計が担当したそうです。もう一つ加えることはロビーからの眺望です。これからの季節は夜景が楽しみです。今後、ロビー内の飲食が解禁されれば幕間にグラスを傾けながら都心の街並みを堪能できます。

市民交流プラザDSC_2213 (1)
札幌市民交流プラザ、hitaruがある「さっぽろ創世スクエア」(写真中央後方)
当社会議室
(7階)から撮影

KingCrimson20181203DSC_1596
キング・クリムゾン (2018年12月3日、ライブ終了-写真撮影解禁時)


オープンから3年といっても、新型コロナ感染症の影響により、予定されていた公演が中止になるなど、実質の期間は短い感じがします。きちんと稼働したのは2020年2月までの1年4カ月程度です。度重なる緊急事態宣言発令で、
hitaruに行く機会を逃した方も少なくないと思います。今後も感染予防を引き続き行い、多くの方が安心して hitaruの空間に集い、優れたライブ・エンターテイメントにhitaru(ひたる)ことを期待します。

12月17日から20日まで、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」が上演されます。hitaruで当社が主催するミュージカルは「レ・ミゼラブル」「モーツァルト!」に続く「第3弾」です。本来ならば、「第4弾」でした。昨年7月に上演を予定しチケットが完売した「ミス・サイゴン」が中止となったためです。

1963年、ブロードウェイミュージカルを日本で初めて上演した「マイ・フェア・レディ」は日本の演劇史に大きな影響を与えてきたと言われています。ちなみにオードーリ・ヘップバーン主演の映画は翌64年12月に日本公開とのことで、舞台が先行しました。初演時の主役イライザ役は江利チエミ、その後、雪村いづみ、栗原小巻が出演し、1990年から20年間は大地真央が演じていました。2013年にキャスト、演出をリニューアル、18年の上演で、今回とほぼ同様なキャスト(イライザ役・朝夏まなと&神田沙也加・Wキャスト、ビギンズ役寺脇康文&別所哲也・同)となりました。
07291721_610265206d5c5

札幌での公演は2007年の北海道厚生年金会館以来14年ぶりです。残念ながら私は見ていません。12月の公演は、新演出後、初の札幌公演となります。スターの競演、誰もが知っている名曲の数々、生演奏、衣裳、舞台美術・・・ミュージカルの王道が最先端の舞台設備を誇る豪華な会場-hitaruで上演されます。

行動制限が続き疲弊した2021年ですが、家族やパートナー、友人と、もちろん1人でも多くの人が「マイ・フェア・レディ」を見て、1年の嫌なことをひと時でも忘れて、感動にひたり幸福になってほしいと思います。そして、ハッピーなクリスマスと新年を迎えたいです。優れた芸術は人々に幸福を与える力を持っています。

あああ
もう、クリスマス・シーズンです。昨年のホワイト・イルミネーション(大通公園)から。


毎年この時期になるとジョン・レノンの曲を聴きたくなります。10
月9日はジョン・レノンの誕生日(1940年英国リバプール)です。12月8日は命日(1980年米国ニューヨーク)です。1971年12月、ジョンとオノ・ヨーコは名曲ハッピー・クリスマス(戦争は終った) 、原題Happy Xmas (War Is Over)を発表しました。このタイトルはニューヨークの街角のビルボードに飾られました。当時はベトナム戦争、カンボジア内戦、バングラデシュ独立戦争などでとてもWar Is Overの状態ではありません。ジョンとヨーコはひとときでも戦争を忘れ、家族とクリスマスを幸福に迎えることを願ってWar Is Overと歌うことで、平和のメッセージを伝えたのではないでしょうか、同時に、日本人美術家ヨーコの芸術活動から、東洋思想および現代美術(特にコンセプチュアル・アート)として、逆説な意味で戦争反対を表明したと私は理解しています

2021年今日の状況ではHappy Xmas COVID-19 Is Over Happy New Year  COVID-19 Is Overでしょうか。コロナ禍は当分続きます。感染者は減っても仕事がなくなるなど生活の影響がでている人や感染拡大が続く国や地域が存在しています。道新文化事業社にとっては、公演会場で感染予防対策(検温、消毒など)がなくなった時にCOVID-19 Is Overになります。2、3年かかるかもしれません。海外アーティストの公演はいまだ再開できません。
1971年から40年たってもWar Is Overではない世界が続いています。私たちは昨年2月から新型コロナ感染症で辛い時期を過ごしていますが、世界ではもっと長い期間、戦乱や暴力に苦しんでいる人々が存在していることも事実です。一つの楽曲によって、現実に起こっている問題を考えることがあります。これも芸術の力です。
0927夕刊洋楽の灯けさないDSC_2211
北海道新聞夕刊9月24日 海外アーティスト来日が難しく、生き残り模索の招聘会社の記事