インターネットを利用した通信販売が全盛の時代を迎えました。フリーマーケットまでスマホでできてしまいます。買う人も売る人もそして仲介する人も、無言で画面に向かうだけです。
買う人は、いちいち外出しなくてもいい。行ってはみたけれど思うような品がなかったり売り切れたりしていた、などの無駄足を踏むこともありません。売る人は店を構える手間がかからない。
一見、無駄がないように見えますが、果たしてどうなのでしょう。
商品の配送で、運送業界が大変なことになっています。エネルギーも大量に消費されます。電気が十分に供給されなければすべての前提が成り立たない。
4回前のブログ「ナカミとイレモノ」で取り上げた音楽のダウンロードやストリーミングに似ているところもあります。
道新文化事業社も、利用者のみなさんがお好みの公演に手軽に出かけられるように、チケットのオンライン販売システムを導入しています。
<ネット申し込み―クレジット決済-最寄りのコンビニでチケット受け取り>
という仕組みを利用されるお客様がどんどん増えています。紙のチケットのいらない電子チケット(バーコードをスマホに表示したり自分で紙に印刷したり)も、年配のお客様にも広がっています。
でも、プレイガイド窓口を開いての対面販売も、決しておろそかにはできません。来店されるのは「チケットを買う」という目的のためばかりではありません。公演の予定やチケット発売スケジュールの確認に見える方も多いのです。疑問解消、情報収集に窓口は安心感をもっていただけるようです。
札幌市内では、プレイガイドが減っています。ことし4月には大丸藤井のプレイガイドが閉鎖されました。
道新プレイガイドと距離が近いため、流れて来られるお客様が増えてきました。
スタッフによると、こちらの「常連さん」と大丸のそれでは雰囲気に違いがあるそうです。大丸さんの方が会話が長くなる傾向もあるとか。きっと大丸さんは「居心地」がよかったのでしょう。
込み合っているときは、スムーズに仕事を進めることがどうしても優先してしまいますが、お客様のいろんな声を直接聞くことは、商売にとってとても大事です。
スタッフたちはわたしが指示するまでもなく、丁寧な対応をこころがけているはずです。
これは電話も同じ。スタッフの受け答えを脇で聞いていて、受話器の向こうでお客様が満足してくださっているのが伝わってきたときはうれしく、スタッフを誇りに思うのです。
札幌のまちなかに出てきたついでに、道新プレイガイドや札幌市民交流プラザのチケットセンターにふらりと立ち寄っていただければうれしい。お薦めの公演を用意してお待ちしています。
来年の東京オリンピックの観戦チケット予約が締め切られました。抽選に申し込むだけで長時間待たされるという現象が起きています。ネット上のことなので、「騒動」は見えませんが、締め切り時刻になお「並んでいる」人が28万人とは、恐るべき数字です。同じチケットを扱う者として、労いたい思いですが、本番は来年春以降とされる窓口での販売ではないかと予想しています。
写真はある日の道新プレイガイド窓口