作詞家と呼ばれる人の中で、唯一お会いしたことのあるのが、なかにし礼さんです。新聞社時代の会合にゲストとして来てくださり、お話をうかがっただけでなく、懇親会では同じテーブルで雑談をすることもできました。

なかにしさんと言えば、先の戦争と切り離してその人生を語ることはできません。生まれは中国との15年戦争中の1938年(つまりことし80歳になられます)、旧満州の牡丹江市。大変な経験をしたことが、彼を筋金入りの反戦主義者にしました。

2014年、集団的自衛権が閣議決定されたときには、

「平和の申し子たちへ 泣きながら抵抗を始めよう」

という詩を毎日新聞で発表。大きな話題となったことをご記憶の人も多いでしょう。
本人が朗読したテレビ番組をYouTubeで見ることができます。


そのなかにしさんは、わたしも大好きなワーグナーの音楽を好んで聴かれる一方、歌舞伎にも幼いころから親しまれたそうです。

週刊誌・サンデー毎日の連載コラム「夢よりもなお狂おしく」の最近号で、「わが魂の音楽 長唄『勧進帳』」と題して、幼いころの思い出を披露しています。

なかにしさんの家庭は、当時としてはなかなか裕福だったようで、父母が愛した歌舞伎の話題が絶えなかったそうです。

<兄も姉も歌舞伎の大ファンであるから、二人で『勧進帳』の弁慶と富樫の問答を丁々発止とやりだす。…私が五歳ぐらいになると、「禮三、お前、判官(義経)やってみろ」と兄に言われ、私もいつしか覚えた台詞「いかに弁慶、道々も申すごとく…」とそれらしく言ってみると…>
<私のソウル・ミュージックは長唄『勧進帳』にとどめを刺す。つまりこの魂の音楽が私の精神生活の最初の種子ということになる>

ちょっとうらやましい環境ではありますね。

道新文化事業社は、歌舞伎座のない札幌でも歌舞伎に親しんでいただこうと、毎年2~3回、歌舞伎公演を開催しています。
来年3月には、市川海老蔵さんが中心となってシリーズで開催してきた「六本木歌舞伎」の第3弾「羅生門」をわくわくホリデーホール(札幌市民ホール)で開催します。
伝統的歌舞伎の枠を超え新しい試みを加えたこのシリーズ、今回はV6の三宅健さんが歌舞伎初出演ということで早くも話題になっています。
羅生門チラシ



4日間6公演を予定。詳細は道新プレイガイドのホームページをご覧ください。


申し込みが殺到すると予想されますので、チケット購入は抽選とさせていただきます。道新プレイガイドクラブ会員が対象で、受付は11月4日です。この機会に、会員登録(無料)してはいかがでしょうか。

写真は「羅生門」の速報チラシ