札幌市民交流プラザのオープンまであと半年余りとなりました。
プラザの施設でもっとも期待されるのが、札幌文化芸術劇場(愛称・hitaruヒタル)でしょう。
北海道で初めて3面舞台を持ち、大規模なオペラやバレエ、ミュージカルの公演が可能になります。
こけら落とし公演は10月7、8日に上演されるヴェルディのオペラ「アイーダ」。指揮はイタリアの俊英アンドレア・バッティストーニ氏、管弦楽は札幌交響楽団。イタリアの演出家ジュリオ・チャバッティ氏による新演出で、神奈川県民ホールなど国内有力3劇場、東京二期会と共同制作します。
新しいホールで新演出のオペラを見られる、最高の贅沢と言えるのではないでしょうか。
道新文化事業社は、新ホールのチケット部門を一緒にやらせていただくことになっています。公演チケットの前売りに先立って、先行購入サービスが受けられるメンバーズクラブの事務局もお預かりしています。
北海道新聞3月19日朝刊の文化面は、「アイーダ」公演の特集を掲載しましたが、これをご覧になった読者のみなさんから、事務局やプレイガイドにはメンバーズ入会の申し込み、問い合わせ電話がひっきりなしにかかってきています。
札幌市民、道民のみなさんの関心の高さがひしひしと感じられます。
交流プラザメンバーズのホームページは
http://sapporo-community-plaza.jp/member.html
いま、オペラブームと言われます。男性オペラ歌手のユニットがアイドル並みに人気を集めたりしています。
イタリアオペラというと、ソプラノやテノールの圧倒的な発声を思い浮かべる人が多いかもしれません。そこがなじめない、という人にもよく会います。ですが、ヴェルディのオペラを「女の人が甲高く歌う作品」と思い込むと誤ると思います。
それは全部で29曲あるといわれるオペラのタイトルからもわかります。アイーダのように、ヒロインの名前をタイトルにしたオペラは実は少数で、リゴレットとかオテロとか、男声ものの方が多いのです。「ヴェルディはバリトン(低い男声)を聞く作曲家だ」という人もいます。
そのあたりは、同じイタリアの、もうちょっと後で出てくるプッチーニとは違うのではないでしょうか。
ヴェルディ作品を見たり聞いたりして感じるのは、「手練れの職人の技」ということです。わたしが大好きな同時代の作曲家ワーグナーは、大自意識家でした。自分の芸術が一番かわいくて、歌う人や聴く人のことをあまり考えていないようなところがある(そこがまたいいのですが)。それに対しヴェルディは、ほぼ20分ぐらいで必ずと言っていいほど場面転換があり、1幕が1時間を超えることもなく、あまり負担を感じずに聴き続けることができます。
聞かせどころのアリアや重唱、合唱がきっちりと区切られて現れるので、あらすじが頭に入っていれば、たとえ歌詞がわからなくても、舞台で起こっていることを理解することができます。
アイーダに関する解説はhitaruのアイーダ特設ページその他をご覧いただきましょう。
http://www.sapporo-community-plaza.jp/event_181007.html
1869年、エジプトのスエズ運河開通と新オペラハウスのオープンをきっかけに作曲された「アイーダ」は、そのことだけでも祝祭向きです。
絢爛豪華な舞台を楽しみに待ちたいと思います。
写真は「アイーダ」公演を紹介する北海道新聞文化面(3月19日朝刊)