ことし1年を振り返るのに、印象的な言葉を2つ紹介します。偶然ですが、朝日新聞と毎日新聞が同じ12月6日の夕刊(電子版)に載せたコラムです。
「政治と経済は分断するが文化は結ぶ」-池澤夏樹「終わりと始まり」(朝日)
「私(指揮者サイモン・ラトル)は彼ら(ベルリン・フィルの団員)を、腹のすいたトラの集団だと思っている。このオーケストラの団員は自分の仕事だから音楽をするとは思っていない。音楽をしなければこの世は終わると思っている」(ラトルの来日記者会見の言葉)-(毎日)
池澤氏も、本心から政治や経済を見限っているわけではないでしょう。政治にも経済にも結ぶ力はあるのに、そうなっていない現状を憂えたものだと理解します。
文化は、そんななかで孤軍奮闘せざるを得ない。
ラトル氏の言葉は、闘争宣言のように響きます。
文化を「娯楽」と同義にとらえて軽く見る風潮は、今に始まったことではありません。しかし、文化にかかわる人には、切羽詰まった思いの人も、文化の力を信じている人も大勢いるのです。
その隅っこで仕事をさせていただいているのが道新文化事業社です。こんな小さな会社が「結ぶ」とか、「この世の終わりを止める」ことができるとは思いません。それでも―。
「志」は大きく持っていたいものです。
写真は、ことし1年、道新文化事業社が取り組んできた主な事業の一覧です。忘年会に向けて幹事役の社員がつくり会場に掲示しました。
みんなで取り組んできた事業です。大きなもの、小さなもの、ひとつひとつに思い出があります。
来年2018年も、多くのお客様にご満足いただけるよう一同力を合わせていきたいと決意しながらこの年を送りたいと思います。
来年の主な事業の予定は1月7日(掲載予定)の道新朝刊広告でお知らせします。
みなさま、よいお年を。
(道新プレイガイドは仕事納めの28日は午後3時までです。新年は4日午前9時半から平常通り営業しています)