先月末、「花供養祭」という行事が札幌市内のホテルでありました。
生花の生産者、流通業者から華道などの関係者までが集まって、花に感謝するというユニークな催しです。北海道花き品評会の表彰式も兼ね、今回で56回を数える歴史をもちます。
道新文化事業社は、北海道新聞のグループ企業として、北海道いけ花連盟の事務局を預かっていますので、毎回出席させていただきます。
「〇供養」といえば針供養が有名ですが、道具や生産物、商品に対するのに、その恩を忘れず、感謝の気持ちを捧げるというのは、とてもいいことですね。詳しくないので「日本ならでは」と断言はしませんが、地球上のどこでもあることとは思えません。
それだけではありません。日本人は、花によってその終わり(一般には「散る」という)に多様な表現をあみだしたそうです。
朝顔=しぼむ
牡丹=崩れる
菊 =舞う
雪柳=吹雪く
この席に出たおかげで、元札幌生花商業協同組合理事長の川村惺馬さんのあいさつに教えられました。
知っていると、ちょっとうれしい。
そう川村さんにお話ししますと、またまた教えられました。
「医者にアロエを贈ってはいけない。『医者いらず』だから」
早い冬の訪れで、生産者はただでさえ高騰している燃料代に困っているそうです。流通にも影響は必至でしょう。
それでも、年末年始にかけて、花を贈ったり飾ったりする機会は増えるでしょう。
花に感謝しながら、その美しさをめでたいと思います。
きなくさい世界情勢に
「武器ではなく花を」
という言葉も思い起こしたい。
※写真は花供養祭の祭壇