むかしむかしぼくが新聞記者だったころ、よく注意されました。「紋切り型の表現を使うな」と。
その教育の成果でしょうか、「女性らしい優美さ」とか、「若者らしいみずみずしさ」といった言葉遣いを聞くと、ツッコミをいれたくなります。単にあまのじゃくな性格のゆえかもしれませんが。
美術だけではありません。全道展と並ぶ北海道新聞主催の大型公募行事、北海道書道展と写真道展でも、男女差を作品から感じることはまずありません。一度、会場に足を運んでいただければ、だれでも感じるのではないでしょうか。
企業でも、女性の活躍が目立つようになってきていますよね。
遅れているのは政治の世界。「おっさん」ないし「おっさん的おばさん」が、まだまだ強い影響力を持っている。女性への侮辱的なヤジは、遅れの象徴です。人権や自由を侵しかねない「マッチョ」な法律が次々と作られているのも、「おっさん的」と言いたくなる気がする。
都議選でさわがしいお江戸では、小池百合子東京都知事が「厚化粧」などと、本質と無関係な悪口にさらされているそうです。その小池さんの言葉。
「おっさんの論理でこれからも日本が突き進むのか。日本はおっさんの論理でずっとやっていけば、必ず他の国にもどんどん追い越される」(6月21日付日刊スポーツ「政界地獄耳」)
小池都政への評価や小池さんが好きか嫌いかは別として、「おっさん政治家」は心を入れ替えるべきです。入れ替えられない頑迷なおっさん政治家には退場願った方がいい。
「おっさん政治」に異議申し立てをするユニークな女性団体「全日本おばちゃん党」では、支持してくれる男性を、「おっさん」ではなく「おっちゃん」と呼んで区別しているそうです。
政治の指向はともかく、ぼくも思います。立派な「おっちゃん」になりたい、と。