自分がネット空間に文章を公開しておいて言うのもおかしいのですが、昨日(2017年4月3日)の朝日新聞朝刊国際面に、いいコラムが載りました。
「ネット中毒/スマホ規制 あなたを取り戻す」、ニューヨークタイムズのロス・ドゥザット氏が書いたものです。朝日が各国のメディアの記事を紹介する「コラムニストの眼」という欄です。全文を読んでいただきたいところですが、朝日の無料ページにはアップされていませんでした。惜しい!
書きだしから挑発的です。「あなたは、インターネットのしもべだ」と断言するのです。メールやフェイスブックなどのSNSに、年配者も次々と「支配されている」と。
氏はスマホの中毒性に危機感を持ち、家族や友人、食事、芸術などの「昔ながらの恵みを、常に気が散っている状態で感じざるを得なくなる」と問題点を指摘します。思い当たる人は多いのではないでしょうか。
イベントを売るわたしたちから見れば、スマホやSNSは頼りになる情報発信ツールです。一方、小刻みで手っ取り早い情報にばかり慣れた人々は、手間のかかる公演に出向かなくならないかと心配になります。車メーカーのトヨタは早くからそれに気づいていました。
朝日転載のコラムは、企業が会議中のメールチェックを厳しく牽制するなど、規制運動を提唱します。小学校からパソコンを排除する将来像も描きます。「児童には、研究でインターネットが必要になるまで本で学習させよう」というのです。
スマホには単なる個人の持ち物にとどまりません。独裁者を倒したり、独裁的指導者誕生にも力を発揮しました。性善説のみでは済まないかもしれません。
繰り返します。家族や友人、食事、芸術などの「昔ながらの恵み」を大切にしたい。道新文化事業社はそれに役立つ会社でありたいし、スマホも、そのための道具であってほしい。