前回の続編として、所有しているものの中から、ジャケットが面白いLP、CDをわたしなりに選んでみました。
まずは前回の「消えた男の日記」の別の盤。ニコライ・ゲッダ(テノール)が原語チェコ語で歌っています=写真①。
これはLPでは出ていないので前回のと公平に比較するのは難しい。右下にフクロウをあしらうなど、イラストとしてはこちらの方が手が込んでいるかもしれませんが、女性の存在感は薄いように思います。
ドイツの作曲家、ヒンデミットの交響曲「画家マチス」のジャケット=写真②=は、まさにこの企画(ジャケ美術館)にぴったりの作品(ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮ロンドン交響楽団)。奇怪な絵はマックス・エルンストの「聖アントニーの誘惑」。この画像は買い直したCDのものですが、12センチ角の小ささではLPサイズのように隅々を見る気にはなかなかなりません。
写真③はかつて大きな話題を呼んだストラヴィンスキーの「火の鳥」(ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィル)。いくつかの場面を選び出した組曲版が演奏されることがほとんどなのに、ブーレーズは1910年版のバレエ音楽全曲を世に問うたのでした。細密画のようなジャケットの火の鳥が、精緻な演奏とぴったり合っていると絶賛されました。