興行会社がイベントを開くにあたっては、当然のことながら収支予測をまず立てます。支出の大きなものは出演者のギャラ、会場費、警備費など。これらに対し入場料をどう設定し大勢入場してもらうか。いろんなデータを当たり、経験と勘も頼りに決断します。


 音楽イベントでは、いつも気になる支出項目があります。これがなければもう少し楽に予算が組めるのにとうらめしく思うそれ。
 音楽著作権料です。道新文化事業社主催の演奏会でも、多いものは数10万円に上ります。
 著作者、つまり作詞家や作曲家の才能、努力に報いるためですから、利用者が負担するのは当然ではあるのですが、請求額にいつも納得できるとは限りません。
 著作者になりかわって、一括して著作権料を請求しているのが音楽著作権協会(jasrac、以下「協会」と表記します)です。


 2月2日、協会は音楽教室から著作権料を徴収することを決め教室側に通知、教室側から強い反発があがっています。


 著作権料の主な課金対象は演奏会とCDですが、CDは売り上げの減少が激しい。そこで協会は、1980年代から徴収範囲を広げてきました。カラオケやダンス教室などで、そのたびに利用者から反発を受けてきました。それをさらに広げようというのです。
 もちろん、協会側にも言い分はあり、某国の新大統領がすぐやるように一方的に「悪者」と決めつけるのは乱暴です。しかし、関係者の間では「jasrac悪者論」はほぼ定着、「カスラック」という呼び名まであるほどです。
 今回の騒動がどう決着するか、対象となる大手音楽教室に通う人、通わせる親御さんも気になるところでしょう。


 いずれにせよ、デジタル化が進んでコピーが花盛り、既成の作品の一部を使って新たな作品を生み出す2次創作も普通に行われるようになった今、著作権料徴収の根拠となっている著作権法など政策全体の見直しが必要だ、という声が大きくなっているのも当然です。