続・続ジャケ買い(またはジャケ美術館・その2)

調子に乗って、ちょっと珍しい現代オペラのCDから。



①ファウストの物語

シュニトケの「ファウスト物語」。アルブレヒト指揮ハンブルク国立歌劇場、1995年。世界初録音=写真①。
ゲーテの名作ではなく、1587年出版のファウスト民話に基づく。音楽はジャケ写真のように強烈。



②こびと

ツェムリンスキーの「こびと」。ジェームズ・コンロン指揮ケルン・ギュルツェ ニッヒ管弦楽団、1996年=写真②=。
原作はオスカー・ワイルドの童話「スペイン王女の誕生日」。醜いこびとが王女の誕生日の贈り物(おもちゃ)として王宮に届けられる。自分の醜さを知らないこびとは王女に恋をしてしまう。切ない幕 切れの悲劇。ツェムリンスキーの音楽は大変すばらしいのに、なぜかほとんど上演機会がない(ロサンゼルス・オペラの上演映像DVDがある)。東京フィルのオペラ・コンチェルタンテ・シリーズでの国内初演(沼尻竜典指揮、オーチャード・ホール)を、わたしは見ることができました。



珍品オペラはジャケットも面白いのがたくさんありますが、載せていくときりが 
ないので、このへんで。




最後にワーグナーを。「トリスタンとイゾルデ」(バーンスタン指揮バイエルン放送交響楽団)=写真③④=は当初、CD5枚組で分厚い箱に入っていました(1万5000円もした)。

③トリスタン

④トリスタン箱

箱の背にも同じイラストが描かれており、当時まだ娘が幼かったため、教育上の配慮からこれをCD棚に収められずに隠しておいたことを思い出します。





⑤ワーグナー

おまけにワーグナーの珍盤=写真⑤=。これは裏側をみたところ。つまり、ジャケットではなくディスクそのものが面白い。円盤ではなく、ワーグナーの肖像の形に切り抜かれているのです。よく見ると耳にはト音記号のピアスが。ちゃんと音がでます(ただし、スロットイン式のプレイヤーは試していません)。




以上、いずれも輸入盤のみ。バーンスタインのトリスタン以外は、今は入手できないようです。

続・ジャケ買い(またはジャケ美術館・その1)

前回の続編として、所有しているものの中から、ジャケットが面白いLP、CDをわたしなりに選んでみました。

①消えた男の日記


まずは前回の「消えた男の日記」の別の盤。ニコライ・ゲッダ(テノール)が原語チェコ語で歌っています=写真①。
これはLPでは出ていないので前回のと公平に比較するのは難しい。右下にフクロウをあしらうなど、イラストとしてはこちらの方が手が込んでいるかもしれませんが、女性の存在感は薄いように思います。




②画家マティス

ドイツの作曲家、ヒンデミットの交響曲「画家マチス」のジャケット=写真②=は、まさにこの企画(ジャケ美術館)にぴったりの作品(ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮ロンドン交響楽団)。奇怪な絵はマックス・エルンストの「聖アントニーの誘惑」。この画像は買い直したCDのものですが、12センチ角の小ささではLPサイズのように隅々を見る気にはなかなかなりません。




③火の鳥


写真③はかつて大きな話題を呼んだストラヴィンスキーの「火の鳥」(ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィル)。いくつかの場面を選び出した組曲版が演奏されることがほとんどなのに、ブーレーズは1910年版のバレエ音楽全曲を世に問うたのでした。細密画のようなジャケットの火の鳥が、精緻な演奏とぴったり合っていると絶賛されました。

ジャケ買い



「ジャケ買い」という言葉があります。音楽そのものというよりジャケット写真に惹かれて音楽ソフトを買うことです。逆に、優れたジャケットは、中身の音楽も保証していることが多いと多くの人が感じているのも事実です。

その「醍醐味」はやはり、縦横30センチという大きさのLPレコードにこそあった、とオールドファンは思うのですが、どうでしょうか。


青春時代の印象に残るジャケットがあります。チェコの作曲家ヤナーチェクの歌曲集「消えた男の日記」(ドイツ語版)です。
素朴な農家の若者が、当時タブーだったジプシー女性との恋に落ち、ふるさとも家族も捨てて、ジプシーと行動をともにします。家族には若者の日記だけが残されました。チェコのモラビア地方にあった実話です。


テノール独唱とピアノ伴奏。ごく一部だけにジプシー女性のアルト、状況説明の女声合唱が加わるという変則的な編成。音楽はまことにドラマチックです。

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ジャケットは少女のイラスト。こちらを見つめる黒い瞳に吸い込まれそうになったものです。



ジャケットも音楽も素晴らしい名盤だと思うのですが、CDで再発売されたときは、なんともつまらないジャケットに変わってしまいました。


さて、録音で楽しむ音楽は、ネットからのダウンロードが急速に普及しています。そこにジャケットはありません。
音源だけではありません。パソコンソフトも店頭で買うのではなく、ダウンロードで済ませてしまう。飛行機に乗るとき、コンサートやスポーツの会場に入るとき、チケットではなくバーコードによる認証が普及しています。モノより中身・機能の時代です。



道新文化事業社は新しいチケットシステムを導入中です。御多分に漏れず、チケットレス化も可能です。
ただ、チケット半券を記念に残したいファンが多いことも忘れないでいたいと思っています。


写真はペーター・シュライアーが歌った「消えた男の日記」のLPとCDのジャ 
ケット


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