美しき機械

クルマのダッシュボードや航空機の操縦席(写真で見ただけですが)、工場の内部…。
「男子」にありがちな傾向かと思いますが、こういった機械系に美を感じます。機能もさることながら、その佇まい自体が美しく、見ていて飽きないのです。

このごろ特に魅かれるものがあります。

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カメラです。

両手で構え、ファインダー(またはディスプレイ)をのぞきながら構図を決め、指の操作でピント、露出を調整していく。
あの小さな機械の全身に配置されたパネルやスイッチは、無理なく操作できるように工夫された結果ですが、それがまたほれぼれする美しさなのです。


道内の写真家が感性や技術を競う第64回写真道展の準備が進んでいます。道新文化事業社は北海道写真協会の事務局を預かり、写真道展の運営もお手伝いしています。先日、審査会が北海道新聞社で開かれ、大賞ほか各賞が決まりました。

審査にあたったのは、協会のベテランたち。女性も多く、みなさん美しい機械を構えたらかっこいい、美しい人たちばかりです。


写真は美術や書道のような創作とは違います。機械の力を借りて「そこにあるもの」を写し取るのですが、それでも、「作家」ならではの味が色濃く表れるところが面白い。

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審査結果は近く新聞紙上に発表され、作品展は5月に道新ギャラリーで開かれます。また、展覧会に先立って、北海道新聞は主要作品を紹介する特集面をお届けする予定です。楽しみにしていただきたいと思います。

さて、機械なら何でも美しいかというと、そうはいきません。カメラと同じ「ショット」という言葉を使う拳銃は、怖いイメージが先立ちます。同じ飛行機でもステルス爆撃機などは不気味です。
人の命を奪う機械は「奇怪」な外観をしているようです。


写真は昨年の写真道展の作品集
   美しき機械

ナマオト

“お堅い”クラシック以外のコンサートは今日、電気増幅が一般化しています。小規模なライブハウスなどでは、マイク、スピーカーを使わなくても十分に音は伝わる。音量過剰を感じることが少なくないのです。声でも楽器でも、発生源から空気の震えが直接伝わってくる感じが、ライブならではだと思うのですが。



「いい酒といい女は迎えに行け」という言葉があります。もとはカクテルの楽しみ方を教えたことばだそうです。




名人バーテンダーは、度数の高いカクテルは漏斗に脚を付けたようなグラスにあふれるぎりぎりの分量をぴたりと決めてくれます。こぼさずに持ち上げて口に 運ぶのは難しい。
一見、行儀が悪そうですが、口のほうをグラスに運んで一口目を味わうのは、むしろ礼儀にかなう。いい酒を「迎えに行く」というわけです。
「いい女」については解説は不要ですよね。いや、「好きな相手」と言い換えたほうが適切でした。



音楽も同じところがあると思うのです。



大音響を体全体で浴びるのもいいですが、かすかな音のニュアンスを求めて耳をそばだてるのはまた格別です。いい音、いい音楽を「迎えに行く」わけです。
前々回のブログで武満徹さんの「小さい音が好き」という言葉を紹介しましたが、同じことを言っていると思います。


昨年、フラメンコギターの沖仁さんのコンサート(道新ホール)では、「生音コーナー」という時間帯があって、沖さんの魔法のような音色をじっくりと味わうことができました。


26日にかでるホール(北2西7)で開く柏木広樹チェロ・アコースティック・コンサートは、文字通り全編生音です。楽しいトークとともに柏木さんのチェロ、NAOTOさんのバイオリン、榊原大さんピアノの、皮膚ではなく心に届く音色をぜひお楽しみいただきたい。
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皆さんを「お迎えに行く」ことはできませんが…。


写真は柏木広樹チェロ・アコースティック・コンサートのお知らせ

続・武満さん

 立花隆さんの大著「武満徹・音楽創造への旅」(文芸春秋)をきっかけに、もう少し書きます。ただし本質ではなく、とっても周辺的な話題を2つ。


 世界を驚嘆させた琵琶と尺八とオーケストラによる「ノヴェンバー・ステップス」は、武満さんの出世作といっていい作品です。立花さんの本でも多くページが割かれています。

 印象的なのは、同曲になくてはならない琵琶奏者の鶴田錦史さん(1911年滝川市生まれ。95年没)が女性だったという事実と、エピソードの数々です。カナダ・トロントの空港で女子トイレに入って行って大騒ぎになったとか、NHKの有名ディレクターも1年間気が付かなかったとか。


 ぼくも、テレビ映像で拝見しただけではありますが、鶴田さんは男だとばかり思っており、告白しますが、この本で事実を初めて知りました。見事な男装ぶりだったとはいえ、気づくのがいかにも遅すぎ。「不明を恥じる」どころではありません。


 考えてみれば、人は誰かと向き合ったとき性別は外見で判断し、それを疑うことはしないものです。でも、あえて確認することも必要なのかも。いやいや、それはセクハラに当たるのか、などと考えがめぐります。



 話題をもうひとつ。武満さん死去を報じたNHK夜7時のニュースのお粗末さです。

 

アナウンサーはこう言ったというのです。
 

 

 「NHKの連続ドラマ“夢千代日記”の作曲者であった武満徹さんがお亡くなりになりました。武満さんは昨年のNHK放送文化賞の受賞者でもあります」


 

 これが世界中の音楽家の尊敬を集め、歴史に残る作品を多く遺した作曲家の死に捧げる言葉でしょうか。開いた口がふさがりません。
 

 NHKには優れたドキュメンタリーも多いのですが、ニュースでは今でも類似の場面に遭遇します。自局の宣伝過剰を少しは恥じるべきだ、と訴えたい。


 無意味な立腹は抑えましょう。こんなときは石川セリさんのCD「翼 武満徹ポップ・ソングス」が心を落ち着かせてくれます。

 


石川セリ

写真は筆者が愛聴している石川セリ「翼 武満徹ポップ・ソングス」

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